あなたのその口臭、思い込みによる自臭症の可能性も

その口臭、自臭症の可能性も
強い口臭というのは“臭い”という面だけ見ても周囲の人間に不快感を与える上に、「不潔そう」「だらしなさそう」という印象も与えてしまいます。なぜなら口臭は定期的に歯医者に通い、しっかりとした歯磨きや舌苔(ぜったい)の除去など対策を心がけていれば多くは防げる問題だからです。

臭いに対して、またそれを放置する性格に嫌悪感を抱く人は少なくなく、対人関係において口臭は確実にマイナスになるものの、口の臭いというのは指摘しにくく、またされづらいため「誰にも指摘されないけど私の口臭いかも」と心配になる方も多いのではないでしょうか。

実際に強い口臭がある人が自分の口臭に気付き悩むのはある意味自業自得と言えなくはないですが、世の中には目立った臭いが無いのに自分が臭っていると思い込む「自臭症」という病気があります。

自分に強い口臭があると思い込む自臭症とは

自臭症は他人が不快に思うレベルの臭いが無いにも関わらず自分の臭いを過度に心配してしまう精神疾患の一種で、一口に「自臭症」といっても対象は様々で、口臭以外にも体臭、わきが、デリケートゾーンの臭いなど人によって大きく異なります。

ただ、これらに共通するのは「実際は目立った臭いは発生していないが自分は臭いと思い込んでいる」という点。

この病気を患ってしまう原因は「過去に臭いについて指摘されショックを受けた」「たまに自分から臭いを感じることがある」など様々で、傾向としては潔癖症や几帳面、完全主義者など、妥協を許さない人、許容範囲の狭い人がかかる場合が多くなっています。

そもそも人間が24時間四六時中無臭でいることなど不可能でそれは口臭も例外ではなく、どんなに若く健康な人でも長時間歯を磨けない状況下や食べたものの種類、一時的な健康状態の悪化などによって多少の口臭は発生し、時にはその臭いを自分で自覚することもあるでしょう。

しかしそれは生理現象などによる正常なことですし、そもそもその程度の臭いは酷い歯周病(歯槽膿漏)の人が発する強烈な腐敗臭やドブ臭さに比べれば極めて軽度なもので、周囲の人間がそれを不快と感じることはほとんどありません。

にも関わらず「自分は臭い」と感じ、人によっては異常なほど長い時間歯を磨いたり、常にガムを噛んだりや口臭対策グッズを使用したりといった行動に出る場合もあり、酷くなると人との接触を避けるため引きこもってしまうことも。

自臭症は対人恐怖症という心の病の一種なので、悪化すると社会生活に大きな影響を与えてしまうのです。

自臭症かどうかを見極めるには

口臭の多くは歯周病や舌苔(ぜったい)など口内に問題があるため、まずは歯医者にかかり治療を受けることが第一歩となり、それと合わせて口呼吸をしないよう心掛けたり1日1回舌苔を取るようにすれば、歯医者の治療が終わる頃には口臭の大半は消え失せているはずです。

その段階においても「自分の口は臭い」「話していて相手が顔を背ける」と感じるのであれば自臭症の恐れがありますから、一度精神科や心療内科を受診してみるべきでしょう。

自臭症かどうかを見極めるポイントとしてまずは客観的に「本当に多くの他人が不快に思うほどの臭いがあるのか?」を知る必要がありますが、医師や家族、知人から客観的に「臭くないよ」と言われても「はい、そうですか」で解決するとは限らないのが自臭症の難しいところでもあります。

うつ病や社交不安障害(社会不安障害)、パニック障害の人に「あなたの生活の中に何も不安なんてないよ」「恐怖を感じる必要はないよ」と言い聞かせても治らないのと一緒で、自臭症の根幹には目に見えない、他人が理解できない様々な問題・原因が潜んでいるからです。

頭では分かっていても治らない…それが心の病の特徴ですから、歯周病や舌苔の対策を行ったうえでそれでも口臭が気になるのであれば、できるだけ早く心療内科などを受診し、もしお近くに口臭外来があるのであればそちらを受診するのも良いでしょう。

自臭症の治療は?

自分に自臭症の恐れがあると感じた場合、精神科や心療内科、口臭外来を受診するのがもっとも確実かつ短い期間で治癒する可能性が高くなります。

自臭症に造詣の深い医師であれば、様々なアプローチで患者に「気にするような臭いはない」と自覚させるとともに、状況によっては抗うつ薬や抗不安薬を処方するでしょう。

「自臭症で抗うつ薬や抗不安薬?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これらの薬はうつ病のみならずパニック障害や社交不安障害など様々な不安障害や恐怖症といった心の病に広く使われている薬で、また自臭症が酷くなるとうつ病を併発する場合もありますから抗うつ薬は有効な治療の手段になります。

ただ、自臭症は「自分には強い口臭がある」という思い込みが大きく関与しているので、その考え方や捉え方を変えていく認知行動療法も取り入れるのが望ましいでしょう。

何にせよ自臭症への知識や理解のある医師を探すのが完治への近道になるのは間違いありません。

自力で自臭症って治せないの?

「精神科や心療内科には抵抗があるし、自分で治せないの?」

そう感じる方もいらっしゃると思います。

「自臭症を自分で治せないか?」と感じている人は自分の自臭症を自覚し軽度である可能性が高いので、自力での治療も可能でしょう。

まず歯周病や舌苔の蓄積など口臭の大きな原因となるものがないという前提であれば、とにかく親しい人などに口臭の有無を確認するようにし、「自分には目立った口臭はないんだ」と繰り返し自覚させるようにする必要があります。

この際、口臭をチェックするためと市販の口臭チェッカーのようなものを使うのは避けるようにして下さい。あれは精度に問題がある上機械と人間で臭いの感じ方は大きく異なるため、かえって不安をあおる結果になりかねません。

何より重要なのは「口臭が全くない人間はいない」ということをしっかり認識することで、どんな絶世の美女だってイケメンだって寝起きや長時間歯を磨けない状況では多少の口臭は発するもので、完全無臭を貫くことなど不可能なのです。

また自力で口臭への不安を消す方法として「なた豆」など口臭予防に効果のある食品を用いることで実際に口の臭いが抑えられると共に不安の解消にも繋がることも報告されています。

  • ■自分に他人を不快にさせるほどの口臭はない
  • ■誰にでも口臭は存在しゼロにすることは不可能

この2つを自分にしっかりと認識させることが自臭症治療において何より重要になります。

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